中国の一部デベ、デフォルトしたドル建て債のリストラ交渉が前進

 中国ではデベ数十社がドル建て債のデフォルトをしたが、そのごく一部で債務リストラの協議が進んだ。特に恒大集団の債務リストラ合意が近い事は特筆すべきだ。融創中国、旭輝集団の債務リストラ交渉も進んでいる。中国デベにとりデフォルトは資金計画の一部だ。

 

 中国の70大中都市新築住宅価格指数の2月分は前月比で+0.29%上昇した。上昇は20218月以来である。しかし新築物件には来場者は来るが購入する人は少ないとも言われる。

 

(中国のデフォルトのリストラ交渉の記事抄録:末尾)

 

 アメリカで特色がそれぞれ異なる3つの中堅銀行が先ず立て続けに破たん、影響は日本やヨーロッパへも直ちに拡大した。預金の全額を保護する等の措置が取られたが、クレディスイス問題もあり、まだ動揺は続いている。

 

この騒ぎでアメリカの利上げ観測が弱まり日本国債は利回りが下落、円は円高となるなど状況が急変した。結局、322日の利上げは0.25%だった。邦銀は大量の米国債を保有しているが日本国債の保有高の方がはるかに大きく、円金利の上昇の方が打撃が大きい。

 

 米銀破たんでソフトバンクが打撃を受けた。シリコンバレーのIT会社の株が急落、ビジョンファンドの評価額も急落した。ソフトバンクは孫CEO個人の保有株を担保にしている借り入れがあり、株価下落でマージンコールがかかると孫氏は悲惨な事になりかねない。

 

 銀行関係ではスイスのクレディスイスは非常に小さな評価額でUBSに吸収される方向となったが、「AT1」という自己資本をかさ上げして計算できる社債の処理で異議が出ている。

 

 ミッドタウン八重洲内のブルガリホテルがニューヨークタイムズに紹介された。

 

 ブラックストーンではネガティブな話が数件、連続して起きていたが、今度はフィンランドでネガティブな話が出た。2016年に買収した会社が保有するポートフォリオの一部でCMBSをデフォルトさせた。なぜこの程度の話を早めに処理できなかったのか不明。

 

 「在宅勤務」は思われている以上に健康に悪い。人間の身体等は動かないでいると各種の疾患に罹りやすく、意識して行うエクササイズではない日常活動に伴う動きも重要なのだ。

 

 ピムコとブルックフィールドが先だってビルでデフォルトを起こしたが、今後もビル保有会社のデフォルトは続くと見られる。全米の空室率は17%でこれにサブリースによる空室4.3%が加わる。変動金利借り入れの際の金利上限設定料も急騰している。

 

 WeWorkはソフトバンク他と債務リストラで合意し債務額は24$(3120億円)に減った。同社については創業者ニューマン氏とソフトバンク孫CEOが野望を抱いていた事がある訳だが現在の株価は98¢と、2021年のSPAC上場時の株価の8$から大きく下げている。

 

 不動産仲介業者は話題のチャットをするロボット「チャボット」をリスティング書類作成、SNS、モーゲージ返済額等でもう使っていて、さらに不慣れな分野を調べる場合にも利用している。しかしチャボットはボディーランゲッジが出来ず、当事者の不安にも対処できない。

 

アメリカでは高額所得者なのに貸家住まいを選ぶ例が増えている。

 

 マンハッタンで1800年代のタウンハウス3戸が相次いで成約した。みな2000$(26.0億円)台で最も古い物は1857年築だ。これは江戸時代末期の安政4年になる。

 

 ロンドンでは高額な家賃が更に上昇し、高い家賃から逃れて周辺部に移転する人が増えている。反対に都心部の住宅の購入を検討する人も増えている。

 

(中国のデフォルトのリストラ交渉の記事抄録)

 

中国不動産:恒大集団が債務リストラの合意に近づく 

(ウォールストリート・ジャーナル電子版 2023.3.17・金)

 世界最大の借金デベで1年強前にドル建て債でデフォルトした恒大集団の債務リストラの合意が近そうだ。中国では昨年、元利払いを出来なかっドル建て債が300$(3.9兆円)あるが、恒大集団の債務リストラはこれらのモデルとなりそうだ。もっとも恒大集団の今回の投資家の多くはデフォルト後の非常に安い値段で買っている。

中国不動産:恒大集団、3月末の債務リストラの合意を準備 

(ブルームバーグ 2023.3.20・月)

 恒大集団は320日の香港の法廷での聴聞を前に。リストラ合意案がまとまる見込みとした。この合意は問題解決へ近づく大きな節目であり、中国の不動産セクターにとり問題解決の見本となりうる。恒大集団は2021年の決算書では債務額は2兆元(38兆円)とされ、ドル建て債の残高は156$(2.0兆円)だ。

中国不動産:融創中国がドル建て債のリストラ案で支持を得る 

(ブルームバーグ 2023.3.6・月)

 中国第11位ながらデフォルトを起こしている融創中国は先週香港で持たれた対面による会議で、ドル建て債の債権者達からリストラ案の支持を得た。無担保のドル建て債90$(1.2兆円)強について2-9年の期限延長がされる。また債権者達は社債の一部または全部を融創中国か同社の上場子会社の株とスワップが出来る。

中国不動産:旭輝集団がオフショアの債務リストラへ道筋 

(BBC 2023.3.11・土)

 昨年10月にデフォルトしたデベ、旭輝集団(CIFI)はドル建て債のリストラ案の暫定的な条件を出した。元本は削減せず返済期限を7年以下の範囲で延長する。中国のデベにはオフショア債のリストラについて交渉が前進する所が出ている。旭輝集団(CIFI)は昨年、政府資金を新たに得た数週間後にデフォルトしたという稀な例だ。

中国不動産:債務リストラの協議が行き詰るデベだらけ 

(ウォールストリート・ジャーナル 2023.3.9・木)

 中国では昨年、デベ数十社がドル建て債のデフォルトをしたが、海外のファンド・マネージャー達との交渉は難しい。デフォルトをした中国のデベの多くは事業を継続していて、債務リストラも業容回復の為の長期計画の一部と考えられている面がある。リストラの協議が長期化するとデベは債権者達に挟まれてしまう事になる。

中国不動産:ドル建て債のリストラ協議が進む中、これら社債の価格上昇が停止

(ブルームバーグ 2023.3.15・水)

 

 中国のオフショア債は7400$(96兆円)規模だが、行き詰ったデベ群が動き出した。正栄地産、龍光集団、旭輝集団、華福幸福等がオフショア債のリストラ協議に入っているが、オフショア債の反発は持続しなかった。