中国のデベの社債(ジャンク債)の価格が突然の急騰、コロナは感染爆発。

 中国の新型肺炎の爆発的な広がりの状況は誰も把握できていない模様だ。

 

 中国では碧桂園、旭輝集団がこの1ヶ月で2度目となる第三者割当増資を発表、発行予定価格が時価よりも低かったので両社の株価は18-19%の下落をした。最近、デベ各社のジャンク債(ハイイールド債)の価格が上昇し、一部は爆謄をするという事態が起きた。

 

(中国のデベ関係の記事:末尾)

 

 香港の超狭小住宅、「ナノフラット」「棺おけ住宅」の売れ行きが悪化した。折からの住宅不況の中でもこれらが最も売れなくなっている。超狭小住宅は北京政府が嫌っている。

 

 シンガポールにファミリー・オフィスを設けるリッチなアジア人が増え、特に中国人の間でこれが流行っている。中には本当にシンガポールに住んでしまう家族もいる。

 

 日銀が実質的な利上げを行なった。黒田総裁の会見における様々な説明は「言い逃れ」と取られている模様だ。過去に日銀が採用した「量的緩和」「マイナス金利」「イールドカーブ・コントロール」といった様々な「実験的な金融政策」は、全て「実験」に失敗した。

 

 アメリカ経済が繁栄しフランスやドイツがさえない原因について、ポール・クルーグマンが非常に単純で明快な指摘をした。戦後、3ヶ国でとも年間の労働時間は減少を続けた。しかしアメリカでだけは1980年前後以降は減少が止まったが、フランスとドイツでは減少が続き、生じた「労働時間の差」で現在の経済的繁栄の差ができたのではないかという指摘だ。

 

ブラックストーンのBREITの償還請求制限の波紋が続いている。同社の主張通りにBREITが健全だとしても「出資者が他の出資者も償還請求をしたがっていると知った事」は重要で、銀行取付けと同じ話だ。同種の不動産を保有するリートは価格を大きく下げている。

 

 リーマンショックから始まった前回の住宅価格下落と今回の住宅価格下落の最大の違いは、今回の方が「モーゲージの質」が格段に良く、エクィティ(住宅時価からローン残債を引いた額)が大きい事だ。サブプライムローンでは僅かな価格下落でこれを割り込んだ。

 

 ブルームバーグがニューヨークと全米での2022年の住宅取引価格トップ10をまとめた。

 

 マイアミの不動産市場がますます活発化している。デベの「リレイティッド」と「リレイティッド・グループ」はトップ同士が大学時代からの仲の模様で、話が紛らわしくややこしい。

 

 サンフランシスコのダウンタウンには異様なほどひと気が少ない。IT企業はリモートワークで仕事をこなしている。市の中心部にはホームレースと犯罪者がたむろしている。

 

 WeWorkの現金収支は2年間で43$(5720億円)の赤字で、資金の底が見えてきた。

 

 全小売りに占めるEコマースの割合が18.8%から16.4%に下落し、実店舗型の小売の会社から元気な声が聞こえる様になっている。書店チェーンのバーンズ&ノーブルズは2023年は出店を30店の純増とさせ、1ドルショップの二大巨頭はさらに店舗数を拡大させる。

 

 「データセンター投資」のリターンは非常に低い。リート化した場合は配当流出が原因で成長に向けた資金を残せない事、設備は非常に速く陳腐化する事や家賃の値上げが賃貸マンションの様には行かない事、1棟貸しではテナントの立場の方が優位な事などが原因だ。

 

 ロンドンのセントラル地区の住宅価格は5年間で24%下落した。

 

    ***ジャパン・トランスナショナル 坪田 清***   http://www.japan-transnational.com/

 

(中国のデベ関係の記事)

 

中国不動産:オフショア・ドル建て債の緊張が最も小さくなった 

(ブルームバーグ 2022.12.14・水)

 7500$(100兆円)の中国のドル建て債では恒大集団問題発生以降で最も緊張が緩み、最近は価格が大きく上昇、14か月連続の下落は終っている。碧桂園のドル建て債は1ヶ月間で404%も上昇、短期的にはリスクは遠のいている。しかし国内発行の社債は国内市場での出来高の少ない事もあり、売却が続いている。

中国不動産:デベの社債が突然、大暴騰 

(ウォールストリート・ジャーナル電子版E 2022.12.16・金)

 11月、アジア・ハイイールド債は18%急騰をした。碧桂園のドル建て債は10月下旬には14¢だったが今は74¢で株価も3倍になっている。新城控股のドル建て債も非常に低い水準から92¢に上昇した。アジア・ハイイールド債は57¢から74¢に上昇したのだが、アメリカ・ハイイールド債とのスプレッドが6%から2%へと縮小した。

中国不動産:デベ2社が二回目の第三者割当予定の発表で株価が下落 

(ブルームバーグ 2022.12.20・火)

 デベが相次いで新株発行をしている。雅居楽と旭輝集団はこの1ヶ月間で2回目となる第三者割当予定を発表した所、株価がそれぞれ19%と18%と、急落した。ちなみに碧桂園はこの1ヶ月間で2回、エクィティ市場で発行、10$(1330億円)強の調達に成功している。香港市場だけでは本土市場での資金調達も活発化している。

中国不動産:恒大集団の債務リストラの道筋と次ぎに起こる事 

(ブルームバーグ 2022.12.12・月)

 恒大集団は280の市で1300のプロジェクトがあるが、2023年半ばに債務1000$(24兆円)を半減させる計画だ。今年4月時点で販売高は前年の39%へ急落、負債の半分は納入業者他への買掛金で、オフショアのデットは192$(2.6兆円)である。当局は創業者の許家印氏に個人資産20$(2660億円)以上を出させている。

中国不動産:政府による住宅関係の締め付けは結局、誰の利益にもならず 

(ブルームバーグ 2022.12.28・水)

 

 北京や上海の住宅価格は2000年以降、10-12倍になり、習近平は「住宅は儲ける為のものではない」「共同富裕」「デベ向け融資制限」として市場の締め付けをした。しかし住宅価格の下落幅は15か月で3%に過ぎずトロント(15)、シドニー(11)と比べて小さい。地方政府によっては価格が下落しないように規制している所さえある。