「リモートワーク」を礼賛していた人の中に自分でも「これはウソだ」と思いつつそう主張していた人がかなりいる事が分かった。実は「構造化されたフレックス制」を伴ったオフィスワークを主体としつつ、一定の秩序の中での柔軟さが認められる形が最も望まれている。
メディアは好んで山あいやビーチのコテッジ、海外からの「リモートワーク」を取り上げていたがこれらは極めて少数で、オフィス出社をしない場合も郊外かその外周部の自宅で在宅勤務を行っていた。但し「大都市からのエクソダス」という表現は荒唐無稽ではない。
(オフィス復帰関係、末尾)
世界で大型の金融異変が続いている。アメリカの利上げ、日本の円安に続き、イギリスでは新首相の短慮な減税策でポンドと国債が大揺れとなり、中国の強く管理された金融にも無理がき
ている。金融機関ではクレディスイスが株・社債・CDS全てでひどく叩かれている。
ニューヨーク大学ほかの試算では、ニューヨークのオフィスビルの評価額は2年で45%減少したが、クオリティの高いビルの評価額は下落を起こしていない。
ハドソンヤードの第2期計画として、デベのリレイティッドがウィンリゾートと組んで大型カジノを検討中とされたが、どの程度、真剣な話なのかは疑問だ。第2期計画はマンション中心の開発許可を取得済みで、この変更は簡単ではない。
ミッドタウンの超高層・超大型ビル、ワン・バンダービルトのリースは99%が埋まった
オフィスのレイアウトで「キュービクル型のデスク配置」が復活している。近年多かったオープンフロアやホットデスクは、従業員から不満が多かった。ビル所有会社としてはキュービクル型配置の方が一人当たりの床面積を食うのでありがたいように思える。
ニューヨークでは超高額マンション人気が復活中で、ビリオネアズロウのセントラルパーク・タワーにある販売価格2.5億$(362.5億円)の住戸も高額さから日本でもよく取り上げられる。しかしこのマンションは巨額の値引きだらけで、この価格で売る気とは思えない。
フリッピングのオープンドアの決算は財務状態を忠実に表していない「茶番だ」とされた。同様な「茶番」との指摘は過去にWeWorkの決算でもあり、その後同社は破綻同様となった。
JPモルガンのCEOは「ビットコイン」を「中枢が存在しないポンジースキーム」とした。
中国の金融危機は「破裂」はせず「スローモー」に進んでいる。ガンになっているのは地方政府の外郭団体のLGFV(融資平台)で地方政府の土地の購入も多い。各LGFVの債務合計は中国のGDPの半分にも上り不透明な形で処理される事になろう。世界への波乱要因だ。
新型肺炎から復活したシンガポールが元気だ。市内の道路をサーキットとするF1は観光の起爆剤になり、ハイエンドな住宅は本土の中国人の富豪による購入が非常に増えている。
イギリスの住宅市場は2年以上続いた「売り手市場」から「買い手市場」に変わった。
ポルトガルが観光面でも住宅投資でも外国勢に人気だ。アメリカ人が目立ち、ドル高によりヨーロッパの不動産等が割安に見えている。ポルトガルは温暖で物価が安く、黄金ビザが一部の例外を除いてある事も魅力だ。住宅価格は第2四半期で前年比13.2%上昇している。
**問い合わせと無料の資料請求は「問い合わせ」のページから**
オフィス復帰:オフィスで働く事をむしろ歓迎している従業員もいる
(ブルームバーグ 2022.10.4・火)
オフィス復帰を求める経営側の声は大きいが、イン・パースンで業務をする事を歓迎する人間は予想外に多い。業務を完全にイン・パースンでしたいという人は27%だがフル・リモートは23%なのだ。家事やプライベートの時間を考えると「構造化されたフレックス」が最も好まれそうだ。フレクシビリティは重要視されている。
オフィス復帰:ニューヨークはついに「オフィス復帰」となるか?
(ブルームバーグ 2022.9.16・金)
レイバーディ(9/5)連休が過ぎ、ニューヨークのオフィスは前週の38%から今週は50%近くが埋まった。市内の学校の新学期の始まりとも重なっている。アダムス市長はホワイトカラーが戻らないと低賃金労働者にお金が回らないとした。地下鉄は乗車数が昔の60%に回復したが、自転車通勤や自動車の保有も増えている。
オフィス復帰:経営者側の要求が強まり、復帰率は新型肺炎前に戻る
(ウォールストリート・ジャーナル電子版 2022.9.19・月)
主要10都市圏におけるレイバーディ以降の9月初めのオフィス利用率は47.5%と、2020年初期のレベルに戻った。復帰率は火曜日と水曜日が高く、55%だ。通勤用の鉄道の乗車人数も新型肺炎期間中では最高になっている。一方、空いているサブリースの床面積は以前の1.2億sqftから2.3億sqft(82万坪)へ増加した。
オフィス復帰:企業は在宅勤務の生産性を従業員ほど高く評価していない
(BBC 2022.9.28・金)
マイクロソフトが11ヶ国、2万人の従業員を調査した所、労働者側と企業側で在宅勤務の生産性の認識に大きな違いがあった。労働者側は87%が在宅勤務の方がより効率的に仕事ができるとしたが、経営者側はそうは考えられないとする人が80%だった。アップルやテスラでも労使の間でのこの認識の違いが問題となっている。
オフィス復帰:コネティカット州へ逃げた人間はそのまま住み続け、戻らず
(ブルームバーグ 2022.9.14・水)
新型肺炎でコネティカットへ逃げたニューヨーカーは約5万人だが、まだニューヨークへ戻ろうという大きな動きは無い。子供を学校へ通わせていたり住宅を購入したりしている為だ。彼らがニューヨークの企業にリモートで働く事に伴う税金はニューヨークの物となってしまい、ニュージャージー州はこの状況に異議を唱えている。
オフィス復帰:ニューヨークの地下鉄の全車両に監視カメラを設置へ
(ブルームバーグ 2022.9.21・水)
地下鉄の6400の全車両に2台の監視カメラを付ける。地下鉄では1月にホームから突き落とされた人が死亡、4月には発砲事件で23人が負傷している。地下鉄の危険性をオフィスに復帰しない理由とする人も多い。
オフィス復帰:シティがジュニアにオファーするスペイン南部でのオフィス
(BBC 2022.9.15・木)
シティはスペイン南部アンダルシア地方ソストデラソル所在のマラガで業務するジュニアのスタッフを30名募集したところ3000人の応募があり27人の採用を決めた。応募者の中心は22-26才だ。初任給は年俸10万$(1450万円)とニューヨークの半分だが、ニューヨーク勤務の際の激務とは異なり良いライフバランスが保てる。