課長になれなかった人間がテレビ東京で唱える「ジョブ型雇用」

 特に最近のテレビ東京の経済ニュースに、「ジョブ型雇用」と「リモートワーク」礼賛の話が出てくる。

 テレビ東京の方々は、本当にそう信じて、こんな番組を作っているのだろうか?

 登場する民間出身の評論家やコンサルタント、民間出身の大学の先生方、スピンアウトした年齢から見てどなたも民間企業での「課長」を経験していない、あるいは経験したうちに入らない経験しかしていない方が多すぎはしないか?

 

 「ジョブ型雇用」と一緒に出てくるのは「ジョブ・ディスクリプション(職務記述書)」だ。しかし部下が例えば10人いる課長が半年に一度、こんなものまじめに書いていたら、課長の仕事ができません。

 こんなこと、「課長の経験」があれば、すぐ分かる。

 アメリカの参考例、あるならぜひ見せてもらいたいものだ。

 

 リモートワークも同様だ。

 部下に「リモートワーク」をする人間がいたら、人事異動のタイミングで課長は真っ先に彼を自分の課から追い出すだろう。この「リモートワーカー」は追い出された先でも、やはり優先的に追い出される。ぐるぐる回る人工衛星状態になるわけだ。

 リモートワーカーに対して、課長は「これこれの仕事をしろ」と指示する必要がある。会社の業務と言うのはそんなにはっきりと明確に指示できるものではない。「こうやってみてくれ」と指示した後に、方向をコミュニケーションを取りながら微調整していくものだ。従って彼は人工衛星になるしかない運命なのだ。

 

 ヒラの身分の人間が「ジョブ型雇用(ジョブディスクリプション)」や「リモートワーク」に憧れていて、課長以上はしょうがないからこの議論につきあっているフリをしている。

 

 テレビ東京はどこに欠陥があるかと言えば、たぶんニュース番組の制作の現場で「ヒラ」の意見が強すぎるのだろう。だから「ヒラの願望」みたいな特集になる。

 

 テレビ東京の管理職は、もっと責任感を持ってニュース番組の制作にあたるべきなのだろう。