カリフォルニアのナパバレーのフォーシーズンズが一室当たり210万$(2.39億円)と、史上2番目に高い一室単価で売買された。またヒルトンは新型肺炎による閑散時に「毎日毎秒」価格を変更できるシステムを開発、このシステムはインフレ時にもそのまま使える。
(ウォールストリートジャーナル 2021.2.13)
フォーシーズンズ:ナパバレーのリゾートを記録的な高値で売却を狙う
カリフォルニア州ナパバレーでフォーシーズンズを開発した会社が1.7億$(181億円)で数社からオファーを受けている。これは200万$(2.12億円)/キーで、これより高い単価での成約例はハワイのフォーシーズンズとビバリーヒルズのモンタジュの2例だけだ。2017年の大規模森林火災に近いエリアでハイエンドなホテルがない。
(ウォールストリートジャーナル 2021.11.2)
フォーシーズンズ:ナパバレーのホテルが一室単価・史上2番目の高さで売買される
カリフォルニアのナパバレーで10月1日開業の85室のフォーシーズンが1.75億$(200億円)で売買された。210万$(2.39億円)/室でこれは年初にカリフォルニアのリゾートであったハイアットの250万$(2.85億円)に次ぐ。売主はファンドで買主のリートのサンストーンはこの春に一室200万$(2.28億円)強のホテルも買収した。
ホテルはリゾート地で回復、都市部で未回復だ。部屋の清掃を間引こうとするホテルオーナーと、それによりかえって労働強化となる客室係の間で対立が起きている。
2019年にIPOで大失敗をしたWeWorkがSPAC上場した。ソフトバンクによる以前の評価額は470億$(5.36兆円)だったが、今回の評価額は90億$(1.03兆円)だ。ニューマン元CEO保有の株式等の評価額は10億$(1140億円)。WeWorkでは巨額赤字が続いている。
ジローは2018年から始めた「iBuying・住宅買取り転売」を止める。8月以降の住宅市場の僅かな鈍化が致命傷となり、巨額の引き当て損計上に追い込まれた。アルゴリズムへの過信と自分たちは市場を熟知しているという思い上がりが失敗を招いた。
ニューヨークの住宅市場は全般的には好調なのだが、「高額住宅が多い地区では売買件数は急増したのに価格が上昇していない」所が多い。特に超高額物件が並ぶビリオネアズ・ロウには2015-16年の価格のピーク時に比べて、今は25-50%の下落をしている物もある。
アメリカ人は大きな家を好むが、小ぶりな家への需要が高まりこれらの市場在庫が払底している。買いの主体は独身者、ベビーブーマーのダウンサイジング、若年者の一次取得。
マンハッタンでは大型でアメニティが充実したビルをリースする事で従業員のオフィス復帰が図られている。「トロフィービル」と普通のビルとの賃料差は今は54%に拡大した。
ロサンジェルス近郊のマリブの超豪邸が1.77億$(201.8億円)で成約した。これはカリフォルニアで史上最高額の売買だ。従前の記録がアマゾンのベソス氏が昨年購入した1.65億$(188.1億円)で、アメリカでの最高額はニューヨークの2.38億$(271.3億円)のマンション。
恒大集団を始めとする不動産セクターへの締め付けは、債務過剰の是正という経済・金融の問題である以上に、大きくなり過ぎた貧富の格差を是正する「共同富裕」政策によるものである可能性が高い。これは鄧小平の路線について歴史的とも言える修正だ。
中国人民銀行は恒大集団の問題を「封じ込める」としたが、それは確定的な話ではない。同社の債務の3分の2は建設会社、部資材会社等だ。サプライチェーンは極めて複雑であり、大手の破綻は他社のサプライチェーンの破断につながる。全体がカスケード状態なのだ。
恒大集団については許家印CEOが当局から私財を出してデフォルトを回避するよう求めたものと見られる。しかし中堅デベのデフォルトは着々と増加しており、デベは海外市場からの資金調達がほとんどできない状態になっている。資金繰りへの支障が考えられる。
中国で不動産税(固定資産税)の導入がまた検討されているが、これは不動産の所有者を明らかにする事でもある。共産党員も含む既得権益層から激しい抵抗を受けそうだ。空き家のままにする者も多く、家賃収入がないので不動産税が払えないという事情もある。
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