アメリカの新型肺炎期間中の引越・移転者のデータを念入りに精査した結果、「都市からの大規模な脱出」というのはほぼなかったことが判明、メディアの話は大げさすぎた。
ブルームバーグが「新型肺炎での移住者はいたが、それほど大きくなかった」とし、ウォールストリート・ジャーナルは「アメリカ人の『どこで住むか』がどう変わったか」としているが、結論は「移住者は目立ちはしたが、全体的には大きく変わらなかった」ようだ。
アメリカの宿泊施設で最も回復が著しいのは、接触が少なく滞在できる「貸し別荘」だ。昨年とは様変わりの盛況さで、めぼしいリゾート地ではもう夏の予約は売り切れている。
旅行予約サイトのエクスペディアのCEOは「需要は急回復に入るだろう」とし、ビジネス出張も誰かが始めればただちに広まるとした。「将来の旅行はこう変わるだろう」という人は多いが、予言を言う事は簡単な一方で現実はそうは簡単には変わらない。
アメリカのCDC(疾病予防センター)はガイドラインを改定、「新型肺炎が何かに付着してそれに接触して感染する可能性はほぼゼロで、空気感染が感染の主因だ」とした。拭き掃除等の清掃に費用をかけるよりも、それを「換気やフィルター」に回す方が有効だ。
IPOより簡便な上場としてブームになっているSAPCだが、各SPACの会計開示は問題だと当局が警告、これに従うとSPAC各社の会社内容は一挙に悪化する。直近では新規のSPAC合併は激減していて、SAPCの利用を考えていたソフトバンクは時流に乗り遅れた。
マンハッタンではアベイラブル(空室+現在のリース満了後のテナント未定)な床の比率が昨年の11.5%から今は17.2%に急増、特に大きいのはSoHoの27.0%、フラットアイロンの22.6%だ。ハドソンヤードは12.3%と低い。しかし巨大ITの進出は続いている。
JPモルガンのダイモンCEOの長文のレター中に、矛盾した事が書かれている。「銀行はスタッフ100人に当たり60席程度となる」と「従業員の大半はオフィス勤務、少数がハイブリッド勤務、10%が在宅勤務」だ。「10%」の在宅勤務者の多くは解雇か退職勧奨要員か。
リモートワークに対する「感想」が目立った。仲間外れになる疎外感、情報には幾つもの深い「層」がある、世間話に入れない、リモートワーク者は出世はできないなどだ。
ニューヨーカーのオフィス復帰が進まない理由の一つに、乗客数の激減でがら空きになった地下鉄内で犯罪が多発しており、これを恐れてオフィス出社をしない事があった。
ニューヨークのビリオネアズ・ロウで、2015年に2679万$(29.2億円)で契約入りした物件が、3300万$(36.0億円)で成約した。従来、周辺のリセールでは二けた下落しており、今回の取り引きが市場の流れの変化なのか、個別特殊の取引例に過ぎないのかが注目される。
アメリカの住宅市場の過熱の度合いが高まっている。一つの売り物件に数十件のオファーが集まったり、出し値より500-1000万円も高い値段で成約する例も出ている。
インベスコは「環境配慮型ビル・ETF」をニューヨークで上場するが、日本ビルファンドもトラック対象に入っている。同社が運営する日本のリートにTOBがかけられている。
中国のバブルがかった住宅の価格上昇が止まらない。しかし下手に住宅市場をとめるとデベは地方政府の払い下げ土地を買わなくなり、各地方政府は一挙に財政難に陥る。
ロンドンの中心部の住宅は昨年は不振との話だったが、実際は世界で最も多くの超豪邸が売れていた事が分かった。外人の購入としてはロシア人、フランス人、中国人が多い。
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