「集団リンチ」は人間集団のサガだ。
普段とは人格が変わり、残酷なリンチに参加してしまうのだ。
女性だって人格が変わる。まるで悪魔に取りつかれたように、棒やムチでたたき出す。
やがて狂気が去り、傷だらけで息も絶え絶えになって横たわるビクティムを見る。
ビクティムを見て、リンチに参加した人間たちも正気に戻り、自分自身の醜さ、残酷さ、詫びようもない、そして神様から許してもらえるはずがない行為を自分自身がしたという事実に慄然とするわけだ。
その時は、もう遅い。
「彼は、あるいは彼女は」、あの編集長なりあのメディアから「5万円か10万円」の原稿料で集団リンチに加わった人間だという話が、今の世の中ではどこかの記録に残り続ける。
小室氏がリンチで受けた傷と、「リンチ参加者」という自分に未来永劫に残るというスティグマのどちらを同情すべきか、「5万円か10万円」と比べると重い問いですね。
ちなみに「5万円か10万円」だが、今回の記事の多くの原稿料としてはまあまあだろう。