今年のブラックフライデーはわけが分からなくなる

 感謝祭(11月第4木曜日)の翌日、「ブラックフライデー(黒字の金曜日)」は今年は11月27日だ。

 この日からクリスマス・年内いっぱいを昔は「クリスマス・シーズン」、今は「ホリデーシーズン」と呼ぶ。

 

 2006年のホリデー・シーズンではアメリカ人は「感謝祭当日」は終日、敬虔に見えた(買い物には行かなかった)。

 当時はブラックフライデーのセールは感謝祭の日の翌朝から始まり、開店前の店舗の入り口のドアは押し合いへし合いで壊れそうだった。

 「目玉商品」の値段がめちゃくちゃに安いのだが、数量に限りがある。これらは「ドアバスター(ドアを壊す者)」と呼ばれていて、取り合いになった女性客同士の喧嘩の動画がすごかった。

 

 ブラックフライデー当日の各店の開店時刻は年々、早くなっていった。

 そしてとうとう感謝祭の日の夕方にまで繰り上げる店が出てきたのは、数年前からの状況だ。

 

 オンライン通販会社はどうしていたかというと。実店舗会社の感謝祭のセールが、(木)・金・土・日と行われることが多かった事から、オンライン通販会社群はこれが終わった翌・月曜日にセールを開始した。

 これが「サイバー・マンデー」だ。

 しかしこれも会社ごとにだんだん繰り上げられ、今は「サイバー・マンデー」はあまり聞かれなくなった。

 

 今年の状況だが、実店舗がすごい勢いで減った。店舗の閉鎖数はリーマンショック後で最悪だった2010年を越えている。

 経営が不調なメイシーズはニューヨーク恒例の長さが4キロにも及ぶ大パレードを今年は大幅に縮小して実施する。人が集まりすぎると新型肺炎の感染の懸念もあるとの理由だが、どう見ても経費削減で、さみしい話だ。

 

 一方で、ウォルマートやターゲットのように業績が好調な実店舗会社もある。これらが懸念しているのは、ブラックフライデーの日の大混雑だ。新型肺炎の感染リスクが非常に高くなる。

 ウォルマートはブラックフライデーと同じセールの日を実店舗で3日、オンライン通販で3日、設けるとした。

 

 オンライン通販は新型肺炎からの追い風もありますます拡大することは必定なのだが、明らかになってきたのが物流、すなわち「配送のキャパの不足」だ。注文しても配達されないケースが続出する。

 去年はキャパ6350万個のところ、6790万個を配送した。

 今年はキャパ7910万個のところ、8630万個の配達が見込まれる。

 

 もう一部ではだらだらと「ホリデーシーズン」が始まっているともされる。

 アマゾンは10月にプライムデーを実施、ベストバイも10月からセールを開始している。

 

 それやこれやで、今年のブラックフライデーはよく分からない状態になるはずだ。

 

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