マンハッタンのオフィスへのスタッフの復帰率は10%

 マンハッタンのオフィスへのスタッフの復帰率は10%と、全米平均である25%よりもはるかに小さい。子供の学校の再開が遅れている事や、通勤に電車・地下鉄・バス・フェリーといった公共交通を使う為に通勤時の感染が恐れられている(注:地下鉄での犯罪が増加中)。

 

 マンハッタンの賃貸マンション市場はますます軟調になっている。フリーレントが駆け引き材料ではなく、「3か月フリーレント」を最初から明らかにする会社が出てきた。このようなインセンティブは住戸数や付帯共用施設が多い大型のマンションで特に得やすい。

 

 在宅勤務にネガティブな意見がさらに増えた。また「週40時間勤務を20時間に減らした時の生産性の向上」は「60時間を40時間に減らした時」よりはるかに小さい。Zoom会議には飽きたと意見が多い一方、顧客との打ち合わせを一日10件もこなせるとの評価もある。

 

 みずほFGが週3または4日勤務制度を導入する話が広く取り上げられた。

 

 ソフトバンクは「自社の非上場化」や「傘下のスタートアップをSPAC(特別買収目的会社)により裏口上場させる予定」などと、相変わらず話題を振りまいている。

 

 「生命科学ビジネス向けのビル」が注目されている。ビジネスの性格上、在宅勤務は不可能で新型肺炎下でもオフィスに出社せざるを得ず、家主としては安定的なテナントだ。

 

 超富豪たちが高額不動産を買っている。また保有中の超豪邸を担保に数十億円の大型のモーゲージ借入れる例も目立つ。この様な調達で有利な投資先に投資しようという動きだ。

 

 アメリカのホテルは新型肺炎で気息奄々だが、一泊1300$(13.7万円)というホテルの値付けや、マリオット他が同時にアフリカ進出を加速など、大手は意外と元気なようだ。

 

 商業不動産はモール、ホテルと問題化したが、次なる問題化は賃貸マンションだろう。

 

 映画館・シネコンが苦境にある。モールにとって、シネコンは安い家賃だったデパートの退店跡に高い家賃で入ってくれた大口テナントなので、これらの不振からの影響は大きい。

 

 アマゾンが10月にプライムデーを実施、もう実質的なホリデーシーズン入りした感がある。オンライン通販がますます増える見込みだが、配送は完全にキャパオーバーとなる。

 

 恒大集団は資金不足懸念の危機を乗り切ったが、国慶節休暇中に実施した最大3割引きのセールは、「大成果」という程ではなかった。負債返済の為の新株発行では期待ほどの資金を調達できず、また習近平をはじめとする政府の要人も不動産大手と距離を取っている。

 

 タイは富裕な観光客の誘致の為にフォーシーズンズ他の五つ星ホテル数棟を誘致し、90日以上の長期滞在の観光用ビザも新設した。しかし新型肺炎により、14日間の検疫が必要。

 

 ブラックストーンとブルックフィールドがインドの不動産に大型投資する。

 

 ロンドンのラグジュアリー住宅に投資する外国勢の中で、今年はフランスがトップになりそうだ。長年首位だった中国は、香港とアメリカに抜かれて四位に落ちた。

 

 ウニベイル=ロダムコ=ウエストフィールドが財務体質改善の方法を巡って活動家株主と対立している。同社は2018年のウエストフィールドを高く買いすぎ、負債が膨らんだ。

 

 

***ジャパン・トランスナショナル 坪田 清***

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