アコーがインターコンの買収を検討

 ホテル大手の仏アコーが英インターコンの買収を検討している。現時点での時価総額はインターコンの方が大きく、買収が実現しても両社の融和は手間取る可能性がある。

 

 低価格の「中クラスに属するホテル」が、軍関係者、医療関係者や家族の集合の場、誕生祝い、身内の記念日といった利用でにぎわっている。単に気晴らしのために泊まりたいというニーズもある。マリオットでは高価格ブランドより低価格ブランドの方が好調だ。

 

 中国の安邦保険(大家保険)が韓国のミラエに売却したアメリカのホテル15棟の売買で起きている紛争の具体が明らかになった。安邦保険の呉前会長(後に投獄)が数棟をペーパー会社に売却、移転登記済みで、ミラエは登記に問題があることを軽視して契約していた。

 

 日本が絡む「株」の話が相次いだ。ウォーレンバフェット(総合商社株)、KKR(鉄道会社と不動産)、東急不動産(リートのシンガポールでの上場)、ソフトバンク(米IT大手)だ。特に問題なのはソフトバンクの巨額デリバティブ投資で、どの程度のリスクを取ったのか不明。

 

 CDSから組成されるCMBXシリーズの中で、モールの比重が大きいCMBX6のカラ売りが一段落し、ホテルの比重が大きいCMBX9に主戦場が移りそうだ。CMBX9は25本のCMBSから組成、全体の17%がホテル向けで、「17%」というのは大きいとされている。

 

 CMBSを組成するローンで債務不履行の為に特別サービサーに移管された件数が、新型肺炎の初期の時点の3.2倍に増加している。債務不履行のローンはホテルと小売り向けが89%と多い。

 

アマゾンは、サイモン・プロパティのモールのアンカーテナント跡を物流倉庫に、百貨店のロード&テイラーの旗艦店をオフィスにコンバージョンしようとしている。「小売用」だった建物が他の用途にコンバージョンされるという大きな波が起きているようだ。

 

 アメリカの住宅市場はマンハッタンのラグジュアリーマンションを除けば好調だ。特にニューヨーカーの脱出先となっている郊外部では過熱気味の所もある。

 

 ニューヨークでは昨年、州が「賃貸仲介手数料(年間賃料の15%)のテナント側からの受領」を禁止したが訴訟となり、手数料の受領はまだ続いている。しかし新型肺炎で空室率が14年来の高さに上昇、手数料なしというリスティングが78-85%に増えている。

 

 イギリスでは商店用不動産は不調だが、住宅市場は5月と6月の落ち込みの後に回復、価格は史上最高水準となっている。市場好転のきっかけとなったのは新型肺炎問題で不調に陥った住宅市場の活性化策として導入された、スタンプ税の時限的な非課税措置。

 

 

***ジャパン・トランスナショナル 坪田 清***

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