サイモン・プロパティのモール内のデパートの退去跡に、アマゾンの物流倉庫が入居する。また同社はモール内で経営不振に陥ったテナント会社多数を買収した結果、自社のモール内に自社の子会社の店舗400店が入居する状態になった。
デパートが往年の魅力を失った原因として、1980年代に相次いだデパートの合従連衡によりデパートのエグゼクティブ達が「顧客を知らなくなった」ことを上げる向きがある。
ニューヨークとサンフランシスコで、住民の「エクソダス」が起きている。住宅のこのような動きに続きオフィスでも郊外移転が起きるかが注目されるが、過去にこのような移転の受け皿となった郊外の都市(コネチカット州スタンフォード)では流れは定着しなかった。
建設中のホテルはオープンせざるをえず、現下の状況でも年1000棟が新規オープンする。マリオット、ヒルトン、ハイアットは巨額赤字だが、ロードサイドのモーテルが多いウィンダムや、車での利用が多いホリデーインを擁するインターコンの業績悪化は小さい。
リモートワークは全面的に採用すると生産性が低下するとの見方が優勢になっている。リモートワークの導入を制度化する動きはあるが、例えばグーグルの制度は内容が乏しい。
アメリカでは住宅市場の回復が著しく、景気面の明るいセクターとなっている。一方、賃貸住宅の借家人は全米で約3分の1が8月の家賃を払えそうにないとしている。
ソフトバンクの4-6月期は一転して1.25兆円の巨額黒字になった。また同社は上場株ファンドに進出、既に39億$(4130億円)をGAFA他のIT会社に投資済みだとした。ビジョンファンドからの出資先も含め、アメリカのIT株ブーム等でIPOや売却が相次いでいる。
WeWorkでは小口テナントが多く解約した一方、大手企業の契約が増えている。しかしアメリカ全体ではコワーキング・スペースは今後20%が縮小する見込み。
中国は他国とは違い新型肺炎対応策として金銭給付による直接支援ではなく、橋梁や道路への公共投資による景気刺激策を採った結果、国民への恩恵は二極化した。高級ブランドの売れ行きの伸びが著しい一方、庶民はレストランでの外食を手控えて節約している。
香港の不動産に共産党幹部の関係者多数が巨額投資しているとして、実名が報道された。
シンガポールのオーチャード通りは往年の輝きを失ったが、これは新型肺炎以前から。
イギリスでは住宅市場刺激策としてスタンプ税の期間限定免税措置が取られ、住宅ブームが起きている。ただしこのブームは短命な可能性がある。
***ジャパン・トランスナショナル 坪田 清***
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