不動産デベに長い間、勤めていたものだから、自宅の購入についてのプライベートなアドバイスを随分と求められた。
当時、うまく表現できなかった部分をとても上手に書いている方がいらしたので紹介したい。ご年齢は60才ちょっと前、引越し回数12回、うち売買回数は不明だ。
LIMO:「どこに住むかは住んでみるまで分からない」
https://limo.media/articles/-/17659?page=1
本当にこの通りだ。
昔は「私は自宅をころがしてこうして儲けた」みたいな話をよく聞いた。成功した方もいらっしゃるんだろう。
一般論として「自宅ころがし」は儲からない。奥さんや子供の事情もあるし、売り買いに伴う諸費用、例えば引越し代や買い替える家具代も馬鹿にならない。さらに役所も銀行も営業時間がサラリーマンにとっては非常に短く、学校等も含めて結構な時間がかかる。
それでも「自宅ころがし」で儲けたいと思うなら、長期大規模プロジェクトの第1期がねらい目だろう。例えば浦安の高級住宅地の第1期は土地50坪、4LDKの26.5坪で2700万円弱だった。ピーク時では1億数千万円のエリアである。
但し、1期は荒涼たる埋立地のど真ん中で、たまに来るバスには誰もいない。小さなスーパーが唯一のライフラインだ。昼間はこういう中で奥さんと子供が住むわけだ。
もっと重要なのは、税金のチェックだ。
基本は「居住用資産の売却益の控除」で、これはしっかりチェックする事。
住宅ローン控除もしっかり確かめる。
親からの資金援助について住宅取得の場合に税優遇措置があり、これは親との要相談。
親から孫の為の教育費支援についても似た税優遇措置があり、あわせて親との要相談。
他には時限立法で減税措置が講じられることがある。
有名なのは売却損の4年間の損益通算というもので、これはかなり前に終わった。
他にもあるかも知れないので、力のある不動産屋さんとよく相談するのが良い。
実際は親の話が入ってきたりして、非常に込み入った相談になる。商売ベースではこんな相談には乗っていられないだろうなと思った。人生相談になって泣かれてしまった場合もあった。
不動産の売却に関わる税金(所得税)が得意な税理士さんは多いのだが、相続等が絡む話は「資産税」という分野の話になり、得意とする税理士さんは非常に少ない。普通の税理士さんでも一応、税額計算はしてくれるのだが誤りが多いし「仕組み」的な話はできない。
従って「相続税対策」を視野に入れている人は、資産税に強い税理士さんを探すことになる。ただ「相続税対策」というのは「相続税法改正」どころか、「取り扱い要領の変更」レベルでまったく無意味になりかねない。
「相続税対策」には王道と小手先があり、王道はやっておくべきだが小手先は無意味になる事を覚悟してやる必要がある。
「グローバル不動産経済研究会」資料会員募集 月額1万円(+税)
問い合わせ ジャパン・トランスナショナル f-ree@88.netyou.jp