新型肺炎の影響が不動産ビジネスの各所に現れ、特に家賃下げと住宅販売に影響

 世界的に賃料減額の嵐である。

・商業施設は店舗閉鎖で売り上げがない。・賃貸住宅居住者で失業が多発している。・住宅ローンの債務者が失業してローンが払えない=MBS価格の下落。・オフィステナントまで家賃下げ要求。

・ホテルは全面閉鎖をしている所が多いが、家主との賃料の問題は表面化していない。

・財務的に家賃支払いが可能な会社でも、現金を手元に置きたいとして、減額要求。

 

 欧米では9月の新入学から逆算した「春」が住宅の販売シーズンなのだが、今年は悲惨な年になる。新型肺炎で人と人との接触が避けられている為、販売手続きはまるでマンガだ。

 

 ユニゾはローンスターが資金を付けたユニゾの従業員により組成される会社による買収で決着、世界初の「EBO」となった。しかし従業員からはこの「従業員組成の会社」は経営陣によりオーケストラされているとの届け出が証券取引等監視委員会他に出されている。

 

 ソフトバンクの孫CEOは個人所有の株の最大60%を担保に数千億円以上を借り、3月22日の同社の巨額資産売却・自社株買い発表の直前に追加担保差し入れをしている。

同氏は孫エステート、孫ホールディングス、孫コーポレーション、孫アセットを用いて複雑な資産運用をしており、さらに弟の会社でガンホー・エンターテインメントの持株会社、孫エクィティーズにも担保差し入れをしている。

 

 WeWorkは大口の家主に家賃減額を求めていて、一部の家主への賃料支払いは止まった。

 

 百貨店大手に破綻が近づいた。JCペニーはもうなすすべがない。ニーマン・マーカス(ニハドソン・ヤード店は同社初のニューヨーク進出)は破産管財中のファイナンスについて協議に入った。メイシーズは債務組み替えを得意とする投資銀行のラザードと契約した。

 

 新型肺炎で利用者が急減しているAirbnbは二度の資金調達を行った。評価額も180億$(1.94兆円)と以前の310億$(3.35兆円)から大幅に下げ、年内のIPOはあきらめた模様。

 

 ロックダウンが解除された武漢でも、モールに対して小規模店主数十名が家賃減額を求めて座り込みの抗議をした。一種の政治運動ととらえる事も可能な事件だ。

 

 シンガポールでも新型肺炎で店舗やホテルの閉鎖がされ、これらから組成されるリートが苦境に陥っている。リートはシンガポール証券取引所で10%を占める。

 

 ロンドンの超高級ホテル、リッツの買主について、報道が二転した。当初報道ではカタールの前首長の夫人のファミリーオフィスだったのだが、夫人から公式に否定された。成約自体は推定7億£(945億円)程度であった模様。

 

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