BBCの「日本ではなぜ落し物が戻ってくるのか」

 日本では落し物がかなりの確率で戻ってくるというのは、海外でもかなり知られている。BBCの電子版に「日本ではなぜ戻るのか」という長めの論考が出た。

 ただし私はこの命題は信じていない。昨年、オートチャージのパスモを落とし、もたもたしているうちに3万4千円分を使われてしまった。ネットを使って追い詰めてやろうかと思ったが、詐欺犯(遺失物横領ではないそうだ)と関わり合いを持つことになるのも気が進まず、やめた。

 

 警視庁によれば、2018年には83%にあたる13万個のスマホ、65%にあたる24万個の財布が持ち主のもとに、それも多くはその日のうちに戻っている。

 実験したくなる外国人旅行者が出てくるのも分かる話だ。

 交番の多さとか、お巡りさんの(社会での)位置づけが違うとか、言われてみるとなるほどなあと思う。一方、傘は33.8万本が落し物として届けられるが落とし主に戻るのは僅か1%で、この低さは500円でコンビニで傘が買えるためだ、みたいなことも書いてある。

 

 この辺まではいいのだが、ここから先が問題だ。日本で落し物が戻ってくる原因として「仏教」と「神道」の影響があると説明されている。

 仏教では「我慢=自分自身の事よりも他の人の事を思う」が重要視される。そして誰もいなくても「ヒトノメ(人の目)=社会の目」を意識する。

 神道では岩や木も魂を持つと考えられ、人々はそこからの「恐れ」を意識づけられている。

 

 ここから先、「親は子供に『普通であること』を求める」とかいろいろ書いてあるのだが、ミシガン大学の教授は結論として「日本で落し物が戻ってくるのは、正直さが本来的に備わっているというためではなく、法律や規範によるものだ」としている。

 

 まあ余計なお世話だと言ったらば怒られるだろうが、外人さんが分析するとこういうことになるようなのだ。

 それにしてもいったい、なんで日本では落し物が戻ってくるのだろうか。

 よく分からないが、少なくとも「仏教」とか「神道」とかを持ち出されると、それは違うと思う。

 

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