アメリカのデパートはクリスマス以降も大幅な値引き販売の継続を強いられており、更なる業績の悪化が懸念される。従前、それほど悪化していなかったサイモン・プロパティ、GGP、メイスリッチなどのトップティアのモールでも家賃減額等が痛手となり悪化が目立ってきた。
ソフトバンクが求めた30億$(3270億円)の新規融資をみずほ、三菱UFJ、三井住友の各行は個別会社への融資上限が近いとして断ったが、ゴールドマン・サックスがWeWork向けに17.5億$(1910億円)の融資枠の設定に応じた。ソフトバンクは借入れ+社債が9.5兆円。
ソフトバンクが大口出資するインドのオヨ(OYO)への不満がインド、中国、日本で高まっている。ホテルのフランチャイズ契約や賃貸マンションの入居管理の問題が中心。ソフトバンクはオヨでWeWorkで行った巨額評価益の計上と同様な利益計上を狙っている模様。
WeWorkに関する報道は昨年8月以降、膨大だったがやっと落ち着いてきた。
日本ではカジノは地元企業や住民から歓迎されておらず、また自治体の動きも鈍いため魅力が薄まっている。中国企業による賄賂発覚もカジノ計画にとってマイナスだ。
ユニゾへの買収問題はローンスターがホワイトナイトとなった「従業員による自社買収」で決着しそうだ。「経営者による買収(マネジメント・バイアウト、MBO)」はたまにあるが、「従業員による」と言うのは聞いた事がない。買収価格は5100円とされた。
アメリカの今年の超高額住宅売買上位10傑の合計価格は11億$(1200億円)だった。これらの「ウルトラ・ラグジュアリー住宅」が一つのセグメントとなったのは2010年代に入ってからだ。今日では超富豪とされる人たちはたいてい世界に3,4軒の邸宅を保有している。
ハドソンヤードはオフィスが好調で竣工済みの3本は全て満室だ。マンションは苦戦模様で、契約率は竣工済みの棟で60%、工事中の棟では明らかにされていない。商業施設は空室が多くて人出も少なく、苦しい状況。観光客にはここでお金を落とす必然性がない。
アメリカで賃貸マンション着工が伸びている。親の家から出ることになったミレニアル・若年層や、年をとったので広すぎる一戸建てからコンパクトな住宅に住み替えたいとするベビーブーマーからの需要が大きい。
中国では金融に緊張が走っていて、オンショア、オフショアの両方で、社債のデフォルトが増加している。「戦略的に重要」とされ政府がデフォルトをさせないだろうと見られていたコモディティの国営企業、「天津物産」もドル建て債でデフォルトした。
シンガポールのラグジュアリー・マンションは不振だが、中国人の買いが増えている。
インドの不動産業は高額紙幣の廃止や規制・税制改革、景気鈍化で不振に陥っていたが、住宅販売が回復し始めている。回復の主因はデベが供給を需要が多い低価格帯マンションにシフトさせた為。ムンバイでは住宅販売が過去4年で最高となった。
イギリスは11月の小売り売上(実店舗の売上げ?)が顕著に下落、かなり懸念されてる。2020年には少なくとも2つの著名小売店が破綻すると予想されている。
ECBがゼロ/マイナス金利を導入してから5年、ヨーロッパの諸都市で住宅価格の上昇が顕著だ。パリではアメリカ人による住宅購入が増加した上、政府の減税策でフランス人が戻り、また海外投資家も安定感があるパリを諸問題で揺れるロンドンより好んでいる。
***ジャパン・トランスナショナル 坪田 清***
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