ソフトバンクGの粉飾決算まがい、WeWorkに続き今度はオヨで?

 ソフトバンクGから1兆円を超す注入を受けてフォアグラになったWeWorkのIPOが延期になりニューマンCEOは退任、同氏に近い約20人がパージされた。

 

 このIPO騒動の前、2019.5.10付けの当方のブログで、今年3月期のソフトバンクGのWeWork株に関する決算は粉飾まがいではないかとの疑問を書いた。

 非上場会社株について身内が高値でちょびっと取得、もともと保有していた大量の株をこの高値で評価して、多額の益を建てているように見えるのだ。

 

 今はソフトバンクGが「世界規模での裸の王様状態」の中、この9月末決算でWeWorkという非上場株をどう処理するかが注目を浴びている。

 最も厳しいのはオラクルの会長で、WeWork株は無価値(ゼロ評価)だとした。まあこれは厳しすぎるだろう。

 

 それはさておきソフトバンクGは今度はインドの新興ホテル会社、オヨ株についてが疑わしい。

 なおWeWorkの時もお断りしたが、今回もわからない事がいくつかあるので、「粉飾決算」とは言わない。あくまで「粉飾まがい」「疑わしい評価益」レベルだ。

 

 オヨのケースでは、WeWorkの時と比べて一段と手が込んでいる。

 

 今年7月の株式売買時の株価でソフトバンクGは保有するオヨ株を評価するのだろうが、この株価がいかにも怪しいわけだ。

 株を買ったのは主にオヨの創業者のアガルワル氏で過去に出資していたファンドから自社株を買い戻した。ソフトバンク他も若干買っている。

 直近の資金調達ラウンド時のオヨの評価額は50億$(5400億円)、7月のこの売買での評価額は倍の100億$(1.08兆円)のようだ。

 これによりソフトバンクはWeWorkの時と同じ形で多額の評価益を建てるつもりではないのだろうか? すでに4-6月期でオヨの利益は取り込んでいるという話もある。

 

 どこが怪しいかと言えば、アガルワル氏は株式の購入資金を日本の「みずほ」と「野村」から借り入れている点だ。

 2行ともソフトバンクGに極めて近い。同社や同社出資先のIPO・増資引き受けや融資でどっぷりつかっている。

 構図的には「出来レース」であり、みずほと野村は(ソフトバンクの意向を受け)高値での株式売買を演出し、ソフトバンクは今年9月期決算でオヨ株の評価益を目いっぱい建てようとしていると疑いを持つ次第だ。

 

 期中では新規上場したウーバー他が大幅下落し、今回のWeWork株での多額の引当て損、さらには期末日近くでアリババ株の急落といった悪材料がソフトバンクGに重なった。これらは期初には想定していなかった事態ばかりなのだ。

 

 1兆円の利益が上がっていても、会計規則に従っているので日本で税金を払わないのは世界標準、みたいなことを言っているからバチがあたったようだ。

 

(当方のWeWork関係の過去のブログ)

 

2019.9.21

ソフトバンクの孫氏、WeWork問題でアメリカでの評判がボロボロ

 

2019.8.31

ソフトバンクの第二ビジョンファンド、思惑ほどは資金は集まっていない?

 

2019.8.10

WeWorkの上場後の株価の見込みが極端に分かれる

 

2019.5.10

少なくともWeWork株についてソフトバンクGの決算は粉飾まがい?

 

2019.4.6

WeWorkの昨年の赤字は一昨年の倍の19.3億$(2160億円)になった

 

2018.12.27

いよいよ軟禁覚悟でサウジへ行かざるをえなくなったソフトバンクの孫正義氏

 

2018.11.19

ソニー不動産とWeWorkの共通点

 

2018.11.10

ソフトバンクがサウジ問題で一挙にヒートアップした

 

2018.10.14

たぶんサウジアラビアで軟禁されることになるソフトバンクの孫正義氏

 

2018.8.18

ソフトバンクがWeWork(ウィ・ワーク)にまた巨額の資金を投入した。

 

2018.2.8

コワーキングの雄であるWeWorkに対して・・