「iBuying(住宅即時買取り)によるフリッピング」が拡大している。

 不動産情報のオンライン化で「iBuying(住宅即時買取り)によるフリッピング」という新ビジネスが拡大している。売却する側にとっては家を片付けて賃借した家具等で飾り付ける「ステージング」やオープンハウスの手間が不要、売買交渉が簡略等のメリットがある。

 

 WeWorkの第1四半期決算は売上げ7.28億$(786億円)に対して赤字の2.64億$(285億円)とIPOを前に巨額赤字が続いている。同社が賃借しているビルについてCEO個人が持ち分を所有しているという利益相反問題は、同氏がリートに持ち分を移す事で対応する。

 

 ソフトバンクGは1000億$(10.8兆円)規模のビジョンファンドに続く同規模の二号ファンドの投資家集めに入っているが、ほとんど集まっていない。ビジョンファンドの投資家は孫CEOの「目利き」に期待していたのだが実際は成長済みIT企業へ投資、このような投資なら誰にでもできる訳でソフトバンクに手数料を払う意味はないと考えられている。

 

 ブラックストーンがGLPのアメリカの物流施設1300ヶ所を187億$(2.02兆円)で買収した。都市部に近接した立地の倉庫への需要が根強い。ブラックストーンの2018年の不動産保有額は世界最大だが、1500億$(16.2兆円)とする記事と2020億€(24.6兆円)とする記事がある。2位はブルックフィールド、3位はプルデンシャル保険系のPGIMだ。

 

 ロサンジェルス界隈では超豪邸がバブル状態だ。特に目立つのが超豪邸の建売りで、2000万$(21.6億円)以上の物件はリスティングされていない物を含めると50件程度あり、予想価格がなんと5億$(540億円)という、まだ売り出されていないが超豪邸建売りもある。

 

 Airbnbが本格的にホテルのリスティングの取り込みを図っている。もう「民泊」ではない。

 

 アマゾンのベゾスCEOがニューヨークで8000万$(86.4億円)のマンションを買い、年初にはファンド大手シタデルのケン・グリフィン氏が2.38億$(257億円)の物件のクローズをしたが、マンハッタンのラグジュアリーマンション市場は依然として不振のままだ。

 

アメリカで小売業界が二極化している。勝者はウォルマート、ターゲットでオンラインの活用に成功、敗者はモールへの出店が多いJCペニー、ノードストローム、コールズ等

 

 ニューヨークのオフィスビルへの警戒感の記事がまた出た。ニューヨーク本拠のオフィスビルリート、SLグリーンの株価は保有ビルの時価評価に対して29.2%、ボルナドは24%ディスカウントされている。ハドソンヤードに移転したテナントの跡が埋まらない状態。

 

 中国で公的管理下にある安邦保険が「ストラテジック・ホテル」の高級ホテル15棟を一括売却する方向だ。ブラックストーン、ブルックフィールド等がアプローチしている。元々は16棟のポートフォリオだったが1棟はアメリカ軍の基地に近く、売買から外されていた。

 

中国では上海他のメガ都市では住宅価格は落ち着いているのだが、各省の省都や経済都市クラスが多いティア2の都市で住宅価格の上昇が大きく、当局が資金調達面での引き締めに入った。ティア2の都市が人気なのは政府が「地方の都市化」を重点政策としているため。

 

 タイのバンコックでの昨年の新築マンション供給は6.5万戸で前年比11%、一方で平均販売価格は6%下落した。中国人投資家が急減したが、それでもデベによれば購入者の3割が外国人だ。住宅販売の不振は全国的な物で、昨年末の全国での売れ残りは45万戸だった。

 

 ロンドンでは概ね20億円以上のトップエンドのラグジュアリーな住宅の不振がもう4年続いている。プライム・セントラルでの価格はピーク比で12.9%下落、デベはインセンティブとして家具パックや賃貸保証を提供している。

 

 

 

***ジャパン・トランスナショナル 坪田 清***

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