アメリカでは法令を満たしているからと言って、その通りに簡単に建つわけではない。
先日はガンマリアルエステートがもう基礎工事を着工していた超高層マンションについて、住民運動によりゾーニング(用途規制)が変更されてしまい、建たなくなってしまった。
今回は68階建てビルの開発予定地内にある広場が「公園」か「遊び場」かで、地元住民が市と対立している。地元住民はこれは「公園」でありこのような開発は認められないと主張、ニューヨーク市当局はこれは「遊び場」であり、開発可能としている。
アメリカ全体で、オフィス空室率が上昇している。マンハッタンについてはハドソンヤードのビル群とワールドトレードセンターのビル群へのオフィス移転で、ミッドタウンの既存ビルの空室率が上昇している。日本でも同様な現象が起こる可能性がある。
ブラックストーンがハワイのマウイ島所在、「グランド・ワイレア」を11億$(約1210送円)で取得した。この価格は単体のホテル売買としてはニューヨークのウォルドルフアストリアの19.5億$(約2150億円)に次ぎ、史上第2位の高額取引。
タイのマンション市場は今までの所、順調だが、今年はラグジュアリーマンションの供給過剰で市場全体が崩れる可能性がある。
イギリスの住宅価格は「ロンドン(下落)」と「それ以外(若干の上昇)」で状況が大きく異なり、またロンドンは高級住宅地である「セントラルロンドン(大きく下落)」と「それ以外(おおむね横ばい)」で大きく異なる。
中国で当局が監視指定をしているHNA(海航集団)の変調が著しい。同社は保有不動産の売却準備をしているが、もし破たんとなった時の国際金融への影響が懸念される。中国当局は過去に何度も国営企業や地方政府の破たん処理を手がけているが純粋な民間企業の破たん処理は今回が初で、リーマンショックのような不手際を起こさない事を祈るしかない。
グローバル不動産経済研究会:レジメ(2018.1.20)
(ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清 f-ree@88.netyou.jp)