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今回、取り上げるアメリカのビジネスはまだ日本になく、このようなビジネスを何と呼ぶのかもまだ確定していない。
それどころかこのビジネス、アメリカですら呼び名がやっと「戸建て住宅レンタル」に定着しそうという状態だ。ビジネスとして本格的に認知されたのは大体、2013年ころなのだ。
「戸建て住宅レンタル」とは簡単言えば「非常に大きなスケールで行う『借家業』」だ。
今回は業界第一位のインビテーション・ホームズと第二位か第三位のスターウッド・ウェイポイントが合併を発表した。
新会社の賃貸住戸数は8.2万戸だ。すごい数だ。人口にすれば30万人くらいになる?
元々はアメリカも今の日本と同様、「一戸建て住宅の借家」の大家さんは個人投資家がほとんどだったのだが、リーマンショック後の混乱時にビジネスチャンスが訪れた。
差し押さえられた家が市場にあふれた一方、安くなった価格で個人が買おうとしてもローンが付かない。
そこを金満なウォール街のマネーが狙って、中古住宅を「土地価格+建物建築価格」より安い価格で買い集めた。
貸しに出したところ、持ち家を追い出されたファミリーがどんどん借りた。
数百戸以上まで成長させたポートフォリオをまるごと売り抜けたところも多かった。
今回、合併を発表したインビテーション・ホームズやスターウッド・ウェイポイントは売りに回らずに、それらを買いに回って大きくなった会社だ。
インビテーション・ホームズはファンドのブラックストーン系。
スターウッド・ウェイポイントはスターウッド・キャピタル系とコロニー・キャピタル系が合併して「コロニー・スターウッド・ホームズ」にいったんなった後に、社名変更していた。
今回の合併新会社に次ぐ同業の大手はアメリカン・4・レントである。
ちなみにこのビジネス、明らかに曲がり角だ。
もう「中古住宅を土地価格+建物価格より安い価格で買える時代」ではなくなっている。
消費者も立ち直り、中古住宅をバーゲンハンティングする事は不可能になっているのだ。
<グローバル不動産経済研究会主宰/公認不動産コンサルティングマスター>