GLPの身売り話、「茶番劇」のシナリオ通りにほぼ決着

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 今年最大の不動産関連オークションとして最も注目を集めるはずだった、シンガポールの物流リートのGLPの身売りの案件、とんだ茶番となって幕が下りた。

落札価格は160億S$(1.31兆円)だった。

 

 当初は少なくとも数社が応札するはずだったが、最終的な応札は

 

 〇中国企業中心のコンソーシアム 応札額 3.38S$ → 落札

 〇ウォーバーグ・ピンカス 応札額 3.50$ 但しノンバインディング・オファー

 

 の2社だけ。

 

 フィナンシャルタイムズは応札を見送った会社は、今回の話を「茶番だ」とし、早い段階で応札のための作業を取りやめたとしている。

 

 参加を見送ったところには、ブラックストーン、KKR、RRJ、TPGがある。

 

 どこが「茶番」かというと、応札予定と分かった「中国系コンソーシアム」の旗振り役が、なんとGLP自身のCEOのミング・メイ氏なのだ。

 さらにあきれたのはGLPの主要資産である中国の資産の3分の1について、ミング氏らがなんらかの「拒否権」を持っているらしいことだ。

こんなのありか?

 

 シンガポールの金融界も意外と民度が低いことを露呈した。

 

 株価を整理すると  直前の時価  2.7S$

           中国のコンソーシアムによる落札価格  3.38S$

           ウォーバーグ・ピンカスのオファー価格  3.50S$(非拘束)

 

 ミング・メイ氏としては高くとも上限、3.0S$くらいで落とすつもりだったのだろう。

 それにしても、ウォーバーグ・ピンカスはいかにも今回のオークションに恰好を付けるため、GLPサイドに頼まれて札を入れるだけ入れた、という感じ。

 だから「ノンバインディング」という条件で、ふざけた事やるんじゃないよと高め目一杯にし、これによりミング氏もオファー価格を引き上げざるを得なかった、という感じ。

 

 まあ、茶番劇は茶番劇として、それなりに楽しませてはいただきました。

 

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<グローバル不動産経済研究会主宰/公認不動産コンサルティングマスター>