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中国のCCランドが、ロンドンのシティに所在する大型ビル、通称「チーズグレイター」を11.5億£(10.2億£という報道もある)で買収した。
日本円に換算すると1600億円で、これは2014年にカタールがHSBCの本社が入居するビルを買った時の価格、11億£を上回っている。
まず「CCランド(中渝置地)」の方から攻めると、もともとは重慶発祥の会社だが、2014年に香港市場に上場した。
ここまでは別に珍しくもなんともなく、たぶん数十社程度の中に入れて勘定される、中国の中堅不動産会社の一つに過ぎない。
しかしCCランドはその後、中国国内の資産を大量に売り、その資金で海外の不動産へ投資した。理由は、「中国の不動産市場に冬の時代が来る」と考えたからだ。
実際には「冬の時代」は来ず、「灼熱の時代」がまた来たわけで、今、政府は一生懸命、水をかけて住宅市場を冷やしている。
CCランドはロンドンで今年1月、ボーダフォンのパディントン本社ビルも買っている。価格は2.92億£だから、約400億円。そこそこの大きさである。
「チーズグレイター」の方だが、このようなあだ名の由来は外観だ。「チーズおろし器」に似ているのだ。
2013年に竣工、高さは225m、東京ミッドタウンが248m、六本木ヒルズが238mだから、これらより若干、低い。
ロンドンの高層ビル密集地帯は2カ所あり、一つはシティ地区、もう一つはカナリー・ウォーフ地区、そしてシティ地区とテムズ川をはさんだ反対側に「ザ・シャード」というビルが孤立して建っている。
ロンドンで一番背が高いのは「ザ・シャード」で突出しているのだが、2年ほど前の時点では、(ホテル部分はともかく)オフィス部分はがらがらだった。
無理に値段を付けると、とんでもない安値になるだろう。
今回の「チーズグレイター」はシティ地区で最も背が高いビルだ。この取引の成立で、「ウォーキー・トーキー」ほかの著名ビルのオーナーも売りに回るかもしれない。
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