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最初に万科企業の話だが、本件は中国初の敵対的買収だ。
過去の経緯は次を参照。
(過去のブログ:再び混とんとしてきた万科企業のM&A)
(過去のブログ:万科企業vs宝能集団の中国初の敵対的M&Aの死闘も終盤戦)
いったんホワイトナイトとして登場するも話が流れた深圳メトロ、ここが結局、万科企業にとってホワイトナイトとなった。
第二株主である華潤の持ち株を371億元で買ったのだ。
(日経電子版:http://www.nikkei.com/article/DGXLASDX25H1F_V20C17A1FFE000/)
これに加え、万科企業が深圳メトロと株と土地のスワップをすれば、宝能集団に対して、備えは万全になる。
三位株主の恒大集団は万科企業の株を高掴みした格好になっているのだが、いちおう日経電子版が示唆しているのは宝能集団への持ち株売却の可能性だろう。
しかしたぶんそれはないし、また万科企業と深圳メトロとのこのスワップは実行するまでもないかもしれない。
中国の保険業規制当局は保険会社の株式取得に対して厳しく当たるようになっていて、保険業が本業である宝能集団はもろにこれの規制にかかっている。
宝能集団は万科企業株の買い増しができないどころか、下手すれば一部処分を迫られている?
という事で本敵対的M&Aは将棋でいう「詰み」ではないが、それに近い。
もう一方の大連万達の売上減少の件、深刻な話である可能性があると思う。
売上減少の主因は万達プラザ等を手がける不動産子会社「大連万達商業地産」の売上が前年比で24%も下落したことだ。
中国では営業不振に陥ったモールが数多くあるのだが、万達プラザもその例外ではないようだ。
シネコンのAMCとか映画スタジオのレジェンダリー、国内ではディズニーランドの向こうを張ったテーマパークを10数か所・・これらの巨額投資を続けてきた中で、本業の不動産の売上が二けたの減少をしちゃって、大丈夫なのだろうかという疑念がわく。
往年の日本のバブルの紳士たちの、紳士然とした当時の立ち居振る舞いを思い出す。
<グローバル不動産経済レクチャラー/海外不動産セミナー>