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日本には無いがアメリカには存在する不動産のビジネスモデルに、「大規模一戸建て住宅賃貸」というものがある。
「日本には無い」というよりも、「アメリカにしか無い」というべきで、マンションならともかく「一戸建て住宅賃貸」は他の国では小規模零細・家族経営的に行われている。
アメリカでは最大手がブラックストーンで5万戸、第二位がアメリカン・ホームズ・4・レントで4.8万戸、第三位がコロニー・スターウッド・ホームズで3万戸だ。
いずれも州をまたいで、大々的に展開している。
なんでアメリカでのみこのようなビジネスが成立したのかと言えば、ひとえにサブプライムショック、リーマンショックによる、住宅市場の激動のせいだ。
多くの人間から「住宅」が差し押さえられたため、価格がピーク比で27%下落した。
そこへ上記の金融ファンド的資金が買いに入った。
(一般の購入者はローンが付かず、極端に買いにくかった。)
差し押さえで家を失った人が多かったので、ファンドが買った住宅は簡単に貸せた。
話はまるで、ビジネススクールの教科書のように好循環したわけだ。
ファンドが買った家は小修繕されたり、そこそこのリノベで最新式設備にバージョンアップされたりした。
住宅バブル崩壊後に全てのファンドにより「買された金額」と「修繕・リノベされた金額」を足すと320億$だというから、さすがはアメリカ、驚きの額だ。
これでもまだ全一戸建て賃貸市場の1-2%程度にすぎないとされている。
しかし今後もファンドによる拡大が進むとは思えない。
なんたって住宅市場が回復してきて、住宅価格が上昇してしまったのだ。
一方、家賃の方はそれほど上昇していない・・つまり割が合わなくなってしまった。
そういう背景の中で今回のブラックストーンの子会社のIPO計画を考えると・・
「攻めのIPO」というより、「回収期に入ったと判断したためのIPO」に思われる。
言い換えれば、公募資金は新規投資ではなく、配当に回されるのではないだろうか。
(過去のログ:アメリカで近年に勃興した新しい不動産ビジネス)
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