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カジノ法案が大詰めに近づいている。
日本のマスコミは不自然に、無理に「統合型リゾート(IR)」という用語を押し出している。
英語の新聞で、「統合型リゾート(Integrated Resort)」という単語は見た覚えがない。
念のため、ウォールストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズ、フィナンシャル・タイムズの各電子版で「integrated resort」で検索をかけてみた。
ある事はあるが、この手のものは普通は単純に「カジノ」だ。
世界的には「カジノ」と呼ばれるものを、誰が何のメリットがあって「統合型リゾート」と呼びたがっているのだろう? 誰にとって「得」なのだろう?
ゲスの勘繰りかもしれないが、それは「お役人さん達」なのではないか?
ある評論家の説明によれば、カジノができれば大きなお金が動き、少なくとも内閣府(主務官庁?)、厚生労働省(ギャンブル依存症対策)、国土交通省(国際観光振興)、警察庁(主に取り締まり)が絡む。
「絡む」という事は、省内のポストが増えて、天下り先のポストも増える。
ちなみに日本のギャンブルの所管は複雑だ。宝くじは総務省(旧自治省)、競馬は農林水産省、競艇は国土交通省、競輪とオートレースは経済産業省なのだそうだ。
それぞれの省にそれぞれのギャンブルを担当するポストが別々にあり、天下り先もたぶんそれぞれ、個別に用意されているものと想像される。
「統合型リゾート」という事になれば、「ホテル」「劇場」「ミュージアム」「貸会議室」「国際会議場」「展示会・イベント会場」などが加わることが想像される。
これにもギャンブルと似たような、権限の細分化が起きるのだろう。
「利権」と呼ぶ事もできる。持つ「権限」の数が増えれば、居心地も良くなる。
もっと直截に言えば、各省が将来の天下り先を確保しておきたいのではないのか?
しかし私は、お役人さん達のこんな論理は笑えない。
お役人さん達にとって所管業務を増やし、天下り先を確保することは、民間企業の売上や利益の追求と同じメンタリティだからだ。
<グローバル不動産経済レクチャラー/海外不動産セミナー>