日本人が刷り込まれていた常識は誤っていた

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 最近は「日本は国土が狭いので土地価格が高い」という話はあまり聞かなくなった。

 しかし私の若いころは皆がそう言い、私も何の疑問も感じていなかった。

 

 私がこの話について「アレ」っと思ったのはバブル崩壊後、ヘリコプターに乗って東京を上空から見た時だった。

 

 最初に山手線の上空を一周した。

 次に環状八号線沿いに一周した。

 最後に国道16号線沿いに一周した。

 

 発見したのは、国道16号線沿いは開発適地だらけだったという事だ。

 これは自動車や電車から見ていたのではわからない。

 その10年前、私が大規模建売用地の仕入れの為に戦っていたのが、それがこの距離の物件だ。

 玉が少なく、完成宅地の仕入れにはずいぶん苦労した。それなのに本当は「土地だらけ」だったのだ。

 

 今、アメリカとオーストラリアで次のような全く同じ議論が起きている。

 両国で近年起きている住宅価格の高騰は、不動産開発規制のせいだという議論だ。

 あの広大な国土の両国でも、不動産価格が高騰している。 

 なんだったのだ、日本の昔の議論は。

 

 「日本は住宅価格が高い」というのも、もう過去の話だ。

 不動産の国際比較というのは非常に注意を要する物なのだが、いろいろなデータを見ても東京の住宅価格は国際水準で見た場合、少しも高くはない。

 

 先日、ブルームバーグが載せた記事に、主要都市別で「100万$(約1.13億円)」で買える住宅面積の比較表が出ていた(いかにも精度が低そうな比較でしょ?)。

 

 ニューヨークが52㎡(坪717万円)、上海が54㎡(坪691万円)、トロントが56㎡(666万円)・・・。

 この比較表にはTOKYOは出てこない。

 

 刷り込まれてしまった常識というのは恐ろしいものだ。

 

<グローバル不動産経済レクチャラー/海外不動産セミナー>