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国際金融センターとしてのロンドンの機能がブレグジット後、どの都市に行くかについて、フランス、ドイツ、アイルランド、オランダが誘致合戦の最前線だ。
本命はフランス(パリ)とドイツ(フランクフルト)だが、アイルランド(ダブリン)はブレグジット後、唯一の英語圏だし、今でもシティの補完機能を担っている。オランダ(アムステルダム)にも一定の有利さがある。
世界を三分すると、南北アメリカ地域の金融センターは問題なくニューヨーク、アジア・大洋州地域はシンガポールと香港と東京に分散、ヨーロッパ・中近東・アフリカ(いわゆるEMEA)がロンドンだった。
話の前提は、イギリスが現在持っている「パスポーティング制度の適用」を失う事だが、今のドイツ・メルケル首相の態度を見ているとこれはまず間違いなさそうだ。
イギリスのあるシンクタンクが金融のプロ、3016人にアンケートして作成した「国際金融都市指数」が先日発表された。これによれば、首位はニューヨークを僅差でおさえたロンドン、3位はシンガポール。4位は香港、5位が東京、6位がチューリッヒ(スイスはEUに加盟していない)と続く。
以下、EUの都市は順位を下げてみても全然出てこず、やっと出てくるのがフランクフルト18位、ミュンヘン27位、パリ32位、アムステルダム34位、ストックホルム37位、ダブリン39位である。
国際金融センターが繁盛する要件は結構難しい。人材の厚みが必要だし、法律や規則があってそれがきちんと執行されていなくてはいけないし、ビジネスインフラも必要だ。
何より難しいのは、「金融を担う人間が持つ『ある種のうさん臭さ』を、取り締まる側がどこまで許すかの加減」、即ち、「取り締まられる側」が長年の経験で確信するに至った「この国ではこの程度のうさん臭さなら大目に見てくれる」という「信頼感」が必要なようだ。
その点、フランス人やドイツ人の政府は、金融業会社にとってうるさすぎる。両国とも、金融会社は当局からどんなインネンを付けられるか、分かったものではない。
同じ話はアジアにも言える。シンガポール、香港はこの辺の加減をうまくわきまえている。日本もそのあたりを理解しておかないと、いくら箱やインフラを整備しても「国際金融センター」にはなれないと思う。
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