「電話」が昔のパソコンのように使い方が難しくなった時代

 当ジャパン・トランスナショナルがパソコンと本格的に取り組み始めたのはたしか1993年の事だ。

 情報システム部のサポートを受けて試験的に使ってみる、当時の勤務先社内のオフィシャルユーザー第一号だった。

 

 まだマイクロソフト系では「Windows 1995」の前の、「Windows 3.01」という、場当たりの産物みたいなOSが主流の時代だ。

 

 インターネットのブラウザーは「モザイク」という大学生が趣味で作ったものしかなかった(「モザイク」は後にネットスケープになって現在に至っている)。

 

 この頃のパソコンは、ユーザーがミスしたのか、ソフトのバグなのか、ハードの不出来なのか、それともそもそもそういう仕様なのか、とにかく年がら年中フリーズした。

 ダウンロードには異常に時間がかかり、うたい文句はともかく、実際の仕事の上ではまったく使い物にならない代物だった。

 

 イスラエルの会社製の世界初の商用無料国際電話「インターネット・フォン」は(たぶん)テレクラみたいなソフトで、知人が日本での販売権を取得していた。私はこれを彼から買い、日本での有料ユーザーの第一号となり、時差に合わせて朝早く出社して遊んでいた。

 

 当時、世の中でなぐさめのように言われたのは、「将来、コンピュータは電話やテレビのように簡単に使えるようになる」という言葉だった。

 

 それから数年もすると、この言葉はうそである事が判明した。

 いろいろな機能がついてしましい、「電話」がコンピュータのように難しくなったのだ。

 というより一応、今の若い人に説明しておくと、昔の電話はどの電話も、今の「公衆電話」よりもさらに簡単、単純明快だったのだ。

 「ベルがなったら受話器を取り」、かけたい時は「受話器を持ち上げてダイアルを回す」、機能はそれですべてだったのです!


 「留守録」なんて、かなり後の世の事だ。  

 

 一年前に買ったファックス付きの多機能電話、名刺にはこの番号も刷り込んであるのですが、使い方、いまだに分かりません。

 

 「使いこなせない」というよりはるか以前の問題であり、もうあきらめています。

 

 先月買ったビエラの「4K」テレビ、やたらに取扱説明書が薄っぺらだと思ったら、「操作ガイド」がテレビに内蔵されていて、そのために紙の取り説が薄いのだった。

 

 ところで世の中であれだけ大騒ぎしている「4K」、どうしたら見れるのだろうか。

 

 リモコンには操作ボタンが一杯あり、カバーで隠された隠しボタンもある。

 DVDはともかく、テレビまでがコンピュータみたいになっちゃったわけだ。